製品の紹介
 製品は、日産車のマニュアルギアボックスの操作感の改善を目的とした、純正とほぼ同形状のマニュアルミッションコントロールレバー(以後、シフトレバー)です。純正のぐにゃぐにゃ感を改善し、ソリッド感を増し、また、純正に比べて10%ショートシフトストローク化を図ります。
購入理由
 日産車のマニュアルミッションは、たいていどの車にも言えることだと思いますが、いまいちフィーリングがよくありません。なんで?ってくらいよくないです。それは新しいR34スカイラインでもです。シルビアなどでも同様で、ストローク量も大きく、トヨタ車に比べるとスポーティさに欠けるというのが正直な感想でした。(ただ、新しいS15シルビアのターボモデルに搭載されるアイシン製の6速ミッションは、そこそこいい感じでした。が、まだ改善の余地ありです。)
 マニュアルミッション車の運転で、数え切れないくらいするシフトチェンジをもっとゴキゲンなものにするために、最初はC'sのショートストロークの選択を考えましたが、レバー比の変更により、ミッションのシンクロナイザーへの負担が大きくなること、操作に要する力が増えることなどの理由から、候補から外しました。操作が純正品よりは神経質になるのでショートストロークにあまり必要性を感じていなかったことと、望む仕様と値段がNISMO製品と合致したことから購入しました。
製品の値段
 通信販売で、\13,800+TAXでした。類似商品として、マインズのダイレクトシフトが\16,800、C'sのショートストロークシフトは\22,800程度です(あくまで参考値)。
製品の取り付け
 ここでは、実際にマニュアルミッションコントロールレバーを交換する方法を写真入りで紹介します。取り付け方法は、純正品からショートストロークシフトまでほとんど一緒でしょうし、たいていどの車種でも一緒だと思うので、参考にしてください。
- 工具を用意する。
 まず、使用する工具を用意します。かなり基本的なことですが、これを怠ると作業が進まないばかりか、失敗します。
 用意しなければならない工具は基本的なものばかりです。
- 軍手・・・ミッションオイルや泥にまみれたところまで作業が及ぶので、用意しておいたほうがいいでしょう。
- ドライバー・・・ミッションカバーを外すために使用します。
- ラジオペンチ・・・これがシフトレバー交換における、最重要工具です。この工具はいつも裏方的な使われ方をしますが、今回はこれがメインです!!
- ニッパー・・・純正品で使われているタイラップを切断する。実は今回の作業では、これが工具箱の中に入っていなくて、作業を途中で中断して確保しに出かけた。きちんと用意してください。
- プライヤー・・・シフトノブを回せないときに、使用する。場合によっては必要ない。
 こんなところでしょう。基本的な工具ばかりなので、「持っていないとか」そういうことを言う人はいないと思いますが、もしなければ買ってください。
- シフトノブを外す

 これはすこぶる簡単です。シフトノブ(正式名称は、コントロールレバーノブと言うらしい)とは、普段ギアチェンジするときに触れる(握る)ところのところです。これは、ネジでねじ込まれているので、時計と反対廻りに回せば、クルクルと緩んでくるはずです。
 もしシフトノブがまだ純正品で、購入以来ぜんぜん外したことがない場合、硬くきつく締まっていて、外れないことがあります。そのときは、ボロ布をあてがって、プライヤーで握って回転させれば、間違いなく外れます。その時、あまり強く握りすぎると傷がついてしまうので注意してください。
- シフトレバー周辺の内装をひっぺがす
 車種によってこの作業の大変さは違うと思いますが、シフトレバー周辺の内装は、メーターまわりの内装解体よりは楽でしょう。ある程度外してしまえば作業はできると思いますが、年月の経った車はシフトレバーカバーがまわりとくっついていたりするので、少し解体する範囲を広げておいたほうがいいと思います。
 ちなみに、R32の場合のコンソールパネルの外しかたを簡単に説明します。まず、シフトブーツまわりを外しますが、これは後ろ側から上に引っ張れば外れます。シフトまわりからエアコンにかけての内装は、基本的には4本のネジで留まっています。2本は、シフトブーツを外すとミッションの前側に見えます。もう2本は、灰皿を外すと、奥に見えます。すべてプラスドライバーで回すことができます。
 ねじを回し終われば、次にミッションの後ろ側から外します。パネルを前に引っ張りながら上に引っ張ると、下側が外れます。あとはてきとうにこじってエアコンパネルの上まで外してください。すると裏には室温センサのコルゲートチューブ入りのラインがありますが、これは外すことが難しいので、シガライターのライン2本を外し、パネルはそのまま運転席のほうまで待避させてください。
- シフトレバーカバー・シフトレバーブーツを外す
 内装を取ってシフトレバーの元を眺めると、シフトレバー根元のカバー(正式名称をダストラバーブーツと言うらしい)を留めているネジを回します。上の左の絵で、矢印が指しているところです。ネジはおそらくプラスドライバーで簡単に回ると思います。自分の場合は普通にまわりました。
 ネジを外せば、押さえている金属と、シフトレバー根元のカバーを外せます。左の写真は、外し終わった写真です。まだ最後のゴムも残ってしまいましたが、この状態ではまだこのゴムは取れませんでした。
 しかしそれをよく見てみると、タイラップで留まっているだけだったので、適当にニッパーで切断して、外しました。右の写真は、一通り外し終わったところです。
- スナップリングを外す
 次に、最後に残っているダストカバーをめくってみます。もしかすると、これがタイラップなどで締まっているかもしれないので、それは適当にニッパーなどで切断します。どちらにしても、このカバーを取るにはけっこう力が必要です。これをめくれば、もうそこはミッションの内部です。ミッションオイルのくさ〜い臭いが車内に充満してしまうので、窓などはなるべく開けて、ドアも適当に開けておきます。本当に臭いので注意してください。
 めくってよく眺めてみると、スナップリングが見えるはずです。実際には、下左の写真で矢印の指す、ワッカのことです。写真ではちょっとわかりづらいかもしれません。これでシフトレバーをミッションから抜けないように固定しています。これは何かでひっかけて回せばくるくる回ります。これは完全な円にはなっていません。つまりスナップリングは、半径を小さくして取り外します。
 さて、スナップリングの取り外しの方法ですが、ラジオペンチ以外ではちょっと厳しいです。ラジオペンチを、スナップリングについている「ひっかけ用の円」に2つとも引っかけて、握った後に上のほうに持ってくれば、簡単に外れます。ちゃんと引っかけないと、すぐ外れてしまいますし、握る力はそこそこ必要ですので、思い切って作業をしてください。

   
- シフトレバーを交換する
 スナップリングを外してしまえば、シフトレバーはフリーになるので、上に引きぬけば外れます。これはたいした力は必要ないと思います。
 純正シフトレバーを外してしまえば、新しいシフトレバーを入れます。このとき、シフトレバーには前後方向が決まっていますので、逆向きに入れないように注意してください。たぶんちゃんとはまると思いますが、変な位置にシフトレバーが決まってしまうと思います。少々入りづらくても、ついている溝の部分をあわせておけば、入るはずです。
 新しいシフトレバーを装着し終わったら、スナップリングを元に戻してください。またラジオペンチを使います。スナップリングを装着したら、シフトレバーを上方向に引っ張って、シフトレバーが抜けないことを確認します。また、各ギアにシフトできるかどうか一応確認してください。走行中にトラブルと大変なことになるので。
 ちなみに、純正品とNISMO製品の形状の比較が、右の写真です。長さが微妙に違うようです。もちろん、長さが短いほうがNISMO製品です。
 ここまでで、取り付けはすべて終了です。

   
- シフトレバーカバーなど、内装まですべてもとに戻す
 あとは元に戻すだけです。どんどん元に戻してください。ちゃんと元に戻すということを考えながら作業をしてください。
 もっとも位置決めが重要なのが、シフトレバーに直接くっついているカバーでしょう。まずカバーの上の場所を決めてから、元どおりに戻します。その他、タイラップがついていたところもありますが、あまり必要ないと思います。自分もタイラップは締めませんでした。
 シフトノブまで完了すれば、交換前とほとんど同じになるはずです。ここまでで、作業自体は完了です。
インプレッション
 「ソリッドシフト」の名前のとおり、シフトフィーリングは多少硬くなりました。これは、操作力が必要になったというわけでなく、シフトするときにシフトゲートなどに触れたときの感触が硬くなったという意味です。また、シフトしたときのぐにゃぐにゃ感が極端に少なくなり、適度にスポーティになりました。
 ストローク量については、あまり変化は感じられませんでした。もしかすると、純正とほとんど変わっていないのではないでしょうか?ショートストローク化を望んでいる人には、あまりお勧めできません。
 それから、いくらかシフトしづらくなりました。特に、2速ギアなどは自分の車がもともと絶好調というわけではないかもしれませんが、たまにスムーズに入らないことがあります。これもすべて慣れかもしれませんが。
 少なくとも、硬くなりすぎず、いろんな意味でいい感じになったと思います。でも、これも慣れてしまうとなんともなくなってしまうかもしれませんね。
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